愛知県知多半島の65才以上の住民を対象に、歯の数と認知症の関係について4年間追跡調査をした結果、20本以上歯を有する人に比べて、歯がほとんどなく、義歯も利用していない人の認知症のリスクは、最大1.9倍となった。
また、すでに自分に歯はなくなっていても、義歯などで正しいかみ合わせができるよう口腔機能を回復させている人は、認知症になりにくく、転倒数も少ないことがわかっている。予防歯科を提唱している歯科医・長尾周格さんは言う。
「正しいかみ合わせのおかげで、食べたものの栄養が効率よく吸収できるだけでなく、脳が活性化されたり、体力が高まったりします。心と体は密接に関係しているので、活力がでてくると気持ちにもハリが生まれ、生きる意欲にもつながります」
自分の歯を失ったら、そのままにせず、入れ歯やインプラントなどで、いつまでもきちんと食べ物を咀嚼できる歯を維持しよう。
※女性セブン2016年3月31日・4月7日号