4月4日から始まったNHK朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』は初回視聴率が22.6%と、期間平均視聴率23.5%を記録した前作『あさが来た』の初回(21.2%)を上回る好スタートを切った。朝ドラ評論家の田幸和歌子氏が語る。
「『あさが来た』の流れにうまく乗り、視聴者を引きつけることに成功しました。とくに西島秀俊さん演じる父親像が女性の心を掴んだようで、ツイッターでも『お父さんが好き』というつぶやきが非常に多い。向井理もいい加減な叔父さん役を好演しています」
高畑充希(24)演じるヒロイン・小橋常子のモデルは、戦後、天才編集者・花森安治とともに婦人誌『暮しの手帖』を創刊した大橋鎭子である。その『暮しの手帖』の最新号は『とと姉ちゃん』が放送開始されるや、売り上げが急上昇。アマゾンの「生活情報の雑誌」部門で1位を記録したほどだ。田幸氏は、脚本を担当する西田征史氏をこう評する。
「元芸人で、短いドラマにも喜怒哀楽をこめるのが得意。自身も『暮しの手帖』の愛読者だそうで、それが今後のドラマづくりに生かされるのではないか」
撮影も快調で、常子が上京するまでの舞台となる静岡県浜松市でのロケでは、こんな一幕もあったという。
「地元町内会のご婦人たちが地元の味の豚汁を差し入れると、高畑は美味しそうに飲み干していました。高畑は共演者たちと一緒に何度もウナギを食べにいき、そのつど完食していたそうです」(制作スタッフ)
第1週の終わりには、女性視聴者のハートを鷲掴みにしていた常子の父・竹蔵(西島)が病気で他界。常子は竹蔵に代わって「とと(父)」になる決意をする。
「タイトル通り、父亡き後の第2週からが本当のスタートになります」(田幸氏)
※週刊ポスト2016年4月22日号