「民進党期待の星」から一転、地球5周分のガソリン代を政治資金収支報告書に記載して釈明に追われた山尾志桜里・民進党政調会長。4月6日に行なわれた会見では、「辞めた秘書が不正請求していた疑いがあり、法的措置も検討する」と元秘書の責任で決着を付けようとしている。
元検事によるハキハキした物言いに会見場の記者たちも攻めあぐねている印象だったが、そのなかで山尾氏の歯切れが明らかに悪くなる場面があった。
山尾氏のガソリン代問題が取り沙汰されてからインターネット上で発見された「新築祝い」疑惑である。平成26年の収支報告書に「新築祝い」名目で選挙区内の店舗に2万1000円を支出したと記載されていることが、公職選挙法で禁止された「寄付行為」に当たるのではないかという問題だ。“パンツ大臣”こと高木毅・復興相が選挙区内の有権者に香典を出した問題と同じ構図といえる。
その店舗は花屋だったことから、山尾氏は新築祝いの花を買ったという認識だと会見で語った。
「そうした支出をする場合は後援会からではなく総支部から支出をしていると認識しているのですけれども、実際に後援会に支出が計上されているというご指摘も受けていますし、その点については早急に訂正の手続きを取りたいと思っております」
やたらとまどろっこしい説明である。
岩井奉信・日本大学法学部教授(政治学)は、「たとえ新築祝いの花を購入したのであっても、選挙区内に花輪を贈ったのであれば公選法違反の疑いがある」と手厳しい。本誌の校了直前、山尾事務所から「(花を出した相手は)選挙区内であることが判明いたしました。よって、速やかに収支報告書を訂正いたします」との回答があった。
保育園問題追及で名を上げ、政権奪還の切り札として抜擢された“民進党のジャンヌ・ダルク”、当面は防戦一方のようだ。
※週刊ポスト2016年4月22日号