直接の死因となる症状が現われてから24時間以内に死亡する「突然死」は、自分自身にとっても、残された家族にとっても悲惨な死に方だ。内科医で『突然死しないのはどっち?』(すばる舎刊)の著書がある池谷医院院長・池谷敏郎氏に、突然死のリスクを避ける生活習慣を聞いた。
●おしっこは「立って」するか「座って」するか
近頃は座っておしっこをする男性が増えているが、その理由は「トイレを汚すな」という家族のプレッシャーによるところが大きい。だが、立ってするか座ってするかは、突然死にも大きく影響するという。
「排尿の時は血圧が下がるため、体調などによっては意識を失ってしまう場合もある。これを『排尿失神』と呼んでいます」(池谷氏)
排尿失神は立ってしていても座ってしていても起こるが、立った状態で失神するほうが、危険度が高いことはいうまでもない。
「立った姿勢から失神すると、頭部に100キロ以上の衝撃がかかることも十分にありえます。下手をすると脳内に出血が起こる危険性もある」(池谷氏)
「俺は男らしく立ってする」なんていっている場合ではなさそうだ。
●毎日、「同じ時間に眠る」か「同じ時間に起きる」か
平日の睡眠不足を週末に「寝だめ」して補う人は少なくないが、これは間違い。
「私たちの体内時計は、朝起きて朝日を浴びることでリセットされ、その約15時間後に眠気がくると決まっています。休日だからと朝起きる時間を遅くすると、体内時計のリズムが一定せず、よい睡眠がとれません。ストレスの増加や高血圧、高血糖、免疫力の低下などを招き、長期的には突然死の危険性が上がります」(池谷氏)
就寝時間や睡眠時間の長短にはあまり神経質にならず、毎朝一定の時間に起きればよい、と気楽に考えるのが大事なようだ。
※週刊ポスト2016年4月22日号