「スプーン1本で老眼が治った」──そんな声が数多く寄せられているマッサージがある。どの家庭にもあるステンレス製のスプーン(カレースプーンくらいのサイズ)を熱湯を注いだコップの中に2~3秒入れ、手で触った時に“ちょっと熱い”と感じる45~50℃に冷めるまで待つ。これで準備は完了だ。
最初にスプーン底のカーブ面で眉に沿って軽くタッピング(叩く)しながら、目頭からこめかみ、再び目頭に戻る動きを5回繰り返す。
次は同じ要領で、目の1cmほど下のラインを目頭から目尻に向けてタッピング。さらにこめかみから頭頂部に向かって左右それぞれ擦る。
最後にこめかみを柄の先端部で3秒間プッシュして静止する。
たったこれだけの動作で老眼が改善できると話すのは、日本リバース院長の今野清志氏だ。
「まず老眼のメカニズムを説明しましょう。老眼は近くの物が見えにくくなるなどが主な症状ですが、それは眼球内にある水晶体のピント調整機能が低下するために起こっています。その水晶体を動かしているのが周囲の毛様体筋で、自律神経によってコントロールされている。この自律神経が正常に働いていないことが、老眼の主な原因なのです」
その改善法として、温かいスプーンが役に立つという。今野氏が続ける。
「自律神経が失調状態にあるので、眼球周辺の血流を良くして酸素を多く供給して、その働きを活性化させる必要がある。
もっとも効果的なのは眼球周辺を温めることと直接的な刺激を与えること。その両方ができるのがステンレス製のスプーンなのです。温めたスプーンによる眼球周辺のマッサージによって、血管は広がり血流が促進されて、不足していた酸素が供給されるようになる。
マッサージ中に温度が下がったら、再び温めなおしてから、マッサージを続ける方がより効果的です。このマッサージによって、これまで5万人の視力が改善し、中には0.4だった視力が1.0にまで回復した人もいました」
今野氏によれば、目は自律神経を通して脳や内臓と繋がっているため、同マッサージによる波及効果は体の各部位にも及ぶ。さらに神経回路や脳の働きが活発になり、「深視力(見た物の立体感・距離感などを捉える視機能)が向上した」といった報告もあるという。
※週刊ポスト2016年4月29日号