中国チベット自治区の聖地のひとつであるヤムドク湖で、若い女性のヌード写真を撮影したことで、カメラマンが「治安管理処罰法違反」の容疑で逮捕されていたことが分かった。
これらのヌード写真が中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」上で公表されると、「チベット文化を冒涜した」などとして批判される一方、「絵画みたいで美しい」などと称賛されるなど意見が分かれている。中国では昨年6月、世界遺産の北京・故宮博物院で女性のヌード写真の撮影が行われたことで、博物院側が抗議の声明をだすなど、ネット上ではカメラマンに批判が集まっていた。
新京報などによると、ヤムドク湖はチベット自治区の山南区ナンカルツェ県に存在するチベットの「3つ聖なる湖」のひとつ。区都ラサからバスで3時間ほどのところにある。
青い湖面と青い空、周辺にはチベット特有のヤクが放牧されるなど、近年ではチベットの有名な観光地として多くの観光客が訪れている。
カメラマンの魚非熊氏はチベット自治区を中心に撮影することで知られており、このような美しい景色のなかで女性を撮影し、本を出す予定だったという。
魚氏は自身のホームページで、この撮影の模様を公開したが、これが微博で紹介されると、拡散し、大きな騒動の種になったようだ。
このため、魚氏は身柄を拘留され、警察の取り調べを受けることになったのだが、モデルの若い女性は「自分が一番美しいときに、チベットの美しい景色とともに写真撮影されることで、生涯記録に残る美しい思い出を残したかった」と語っているという。
チベットでは2014年にも同様の事件が起きており、ラサからこの湖に通じる国道318号線で、裸の女性が馬に乗っている写真が撮影、公表されたことで、やはりカメラマンが警察当局によって「チベット住民が尊重している習慣や文化を汚した」などとして、「治安管理処罰法違反」の容疑で10日間勾留されている。
また、女性のヌードと景勝地の取り合わせによる写真撮影は中国でも度々起きており、このため中国国家旅游局は昨年4月、観光地の社会風習・民族生活習慣に反する行為を厳しく取り締まる目的で「旅行者の非文明的行為に関する記録管理法」を正式に施行している。女性のヌード撮影はたびたび物議を醸しているようだ。