50年間、座布団の上からお茶の間に笑いを届け続けた「ミスター笑点」が引退する。『笑点』(日本テレビ系)は5月15日で放送50年を迎え、その翌週の22日、桂歌丸(79才)が司会を後任に譲り、「終身名誉司会」に就く予定だ。
「体力の限界」「歩くことが大変苦しくなって息切れしてしまう」と司会引退の理由を説明した歌丸だが、その表情には悔しさが滲んでいた。落語関係者が言う。
「2009年に肺気腫、昨年は腸閉塞を患い、体調が大変なことは周知のことでした。それでも歌丸師匠が笑点への出演にこだわっていたのは、古くからのファン、全国のお年寄りの声に応えようとしていたから。師匠のところには、『歌丸さんが現役で頑張っているから自分もまだ頑張れます』『50年前から毎週、楽しみにしてきました。オリジナルメンバーの最後の1人としていつまでも頑張ってほしい』という手紙がいっぱいきているそうです。そんな声に押されて、体調を騙し騙し、今までやってきたのでしょう」
松本人志(52才)も「高齢化が進む今の日本の象徴」「座布団をやめて布団に変えて、寝ながらでも続けてほしい」とコメント。ツイッター上でも「歌丸師匠、引退か。寂しくなるな」などと引退を惜しむ書き込みが相次いでいる。
歌丸引退ショックが続く中、22日放送で次の司会者の名前が明かされることになる。
「古くからのファンは変化を嫌うので、『内部昇格』が既定路線だといわれています。現在出演中の笑点メンバーの中から指名されるということです。ということは、木久扇(78才)、小遊三(69才)、円楽(66才)の3人が筆頭候補でしょう」(テレビ局関係者)
まず木久扇だが、「以前、歌丸師匠が入院し、『次期司会者は木久扇』という報道があった時には自分は弟分キャラでずっとやってきたから、『そんな話がきても絶対断る!』と言っていた」(前出・落語関係者)というので可能性は低そうだ。
小遊三は、歌丸が会長を務める「落語芸術協会」の副会長であり、「江戸落語はいくつかの団体が協力して支えているのに、1つの団体から二代続けて司会者が出ることはちょっと考えにくい」(前出・落語関係者)という。
その点、歌丸とは気心が知れた仲で、先代司会者である故・圓楽の流れをくむ円楽は大本命と言えそうだ。しかし、66才の円楽でも、往年の視聴者から見るとまだまだ若い。
「円楽は、ぼくらから見るといまだに“楽太郎”“楽さん”のイメージ。司会を任せるのは時期尚早。大丈夫かなァ」(80代の男性ファン)
とはいえ、振り返れば番組が始まった時の出演者の平均年齢は28才と若かった(当時、歌丸は29才)。思い切った刷新か、“偉大なるマンネリ”を続けるか──高齢化ニッポンでは悩みはどこも同じようで。
※女性セブン2016年5月26日号