“城主”が代わればここまで変わるものなのか。古舘伊知郎(61)から富川悠太アナ(39)にバトンタッチした『報道ステーション』(テレビ朝日系)が「浮かれモード」なのだ。たとえば13日放送のお天気コーナーは、観ている側が赤面してしまうほど。
「衣替え、私はまだしてないですね~」と、富川アナが隣の小川彩佳アナ(31)に話題を振ると、彼女はキャピッとこう答えたのだ。
「私、今日ノースリーブをおろしました!」
富川アナが「夏になってましたよね~」と応じると、小川アナは「電車の中で一人だけノースリーブで浮いちゃいました」とニッコリ。
最近の『報ステ』では、2人の微笑ましいやり取りが連日のように繰り広げられている。この変化にスタッフも驚きを隠せない。
「前体制では古舘さんが番組全般を細かくチェックしており、小川アナへの指導も厳しかった。そのため彼女は番組では能面のような顔をしていることが多かった。3年前の親しいスタッフとの飲み会では、“どうやったら一人前になれるの……”と涙ぐんだこともあったほどです。
その点、富川アナは年齢も近く、リラックスして臨めるらしい。富川アナも彼女に意識的に話を振っている。その気遣いのおかげで、小川アナは本当に明るくなった。スタジオ中が和気あいあいとしています」(テレ朝社員)
視聴率も絶好調。古舘時代の最後の4週間の平均が11.6%だったのに対し、富川アナに代わって最初の2週間で平均12.6%(ビデオリサーチのデータを元に平均値を算出)。熊本大地震では得意の現場ルポをこなすなど、富川アナの評価はうなぎ登りだ。
しかし、ベテランスタッフからは苦言も出ている。
「一方で、『ニュースステーション』時代からの伝統の鋭い視点や政権批判はなりを潜めてしまった。打ち合わせでも、富川アナは年上のスタッフに気を遣って自分の意見をいわない。“みなさんの意見はどうですか?”が口癖ですから。今の時代には合っているんだろうけど、それでいいのかという思いはあります」
仲がいいのは結構だが、ジャーナリズムの牙は失ってほしくないものだ。
※週刊ポスト2016年6月3日号