生活習慣病の代表ともいうべき糖尿病。コーヒーは2型糖尿病に効果ありと、世界から報告が相次いでいる。アメリカ化学会は2011年に「1日4杯以上を飲む人は、2型糖尿病の発症率が50%少ないことが判明」の研究結果を発表した。さらに、飲む量が1杯増えるごとに発症率は7%低下するというのだ。摂取量についてはフィンランド国立公衆衛生研究所が行なった大規模調査で、結果が出ている。
「1日3~4杯を飲んだ場合、飲まない人に比べ女性で29%、男性で27%。1日10杯以上飲んだ場合は、女性で79%、男性で55%が糖尿病にかかる率が減少する」
もちろん、これはブラックで飲み、一緒に甘いお菓子類を食べないことが大前提だ。
それにしても、なぜ糖尿病の発症率を下げるのか。熊本県立大学環境共生学部食・健康環境学科の奥田拓道教授らの研究によると、クロロゲン酸が血糖値の抑制に関わっているためだという。カフェインに予防効果があるという研究もあり、続報を待ちたいところだ。
死亡リスクにも関わる、というデータも出ている。国立がんセンターの『多目的コホート研究(JPHC研究)』より「1日3~4杯飲む人の死亡リスクは、まったく飲まない人に比べて24%も低い」と成果が発表された。それも、飲む量が増えれば増えるほど、リスクが下がるという傾向が認められた。
※週刊ポスト2016年6月10日号