日米通算4257安打を達成し、ピート・ローズ氏(75)が持つ記録を超えた米メジャーリーグ・マイアミマーリンズのイチロー(42才)。記録を塗り替えられたローズ氏は「日本プロ野球はメジャーと同レベルではない」などと批判的な持論を展開。米メディアでもイチローの功績を称える声もあれば、ローズ氏と同じような見解を示すものもある。そうやって話題になるのも、これが大記録だからこそ。ここまで数字を積み上げてきたイチローの意外な一面について関係者らに聞いた。
■抜群の英語力でスペイン語も話す
イチローは地元メディアの取材に対しても常に日本語を話す。大リーグにわたって16年目、英語はかなり上達していそうなものだが。
「日本語で通しているのは、“自分の発言を正確に伝えたいから”です。実際には英語は堪能。チームメートとの会話ではスラングを使ってジョークを飛ばすほどです。マーリンズには母国語のスペイン語を話す選手も多いのですが、彼らとも冗談交じりにスペイン語でコミュニケーションをとっています」(スポーツライターの友成那智さん)
■記者にもプロの仕事を求める
記者を育てるのも選手の仕事。そう考えるイチローは、レベルの低い質問には「質問の意味がわかりません」とぴしゃりとはねつけるため、記者泣かせともいわれる。
「メジャーに移籍してからは、ロッカールームには質問がある記者だけが行くようになりました。ベテランの通信社の記者が“代表取材”をしていた時期もあります。取材のプロだけを相手にしたいという、野球のプロであるイチローらしい考えといえます」(メジャー担当記者)
■帰宅してからも毎日トレーニング
毎日、寸分たがわぬルーティンを行うのがイチ流。試合が本拠地で開催される日は、起床後、自宅に揃えたトレーニングマシンで汗を流してから球場入り。その時刻は、ナイターの場合は午後2時頃だ。3時には練習用のウエアに着替えて、ウオーミングアップ。試合では、打席に入る前、そしてバッティングまでの一連の動作はおなじみだ。そうしたルーティーンは戦いの後にもある。
「試合後にはロッカールームでスパイクとグラブを磨きます。帰宅後は、食事までの時間を使ってマシントレーニング。食後もまたトレーニングをして、その後、2時間かけて全身をマッサージ。すべては試合で力を発揮するためです」(友成さん)
■不振時は球場入りルートを変えゲン担ぎ
ゲン担ぎをするスポーツ選手が多いが、ルーティーンを厳守するイチローは、ほとんど行わない。するのは、バッティングが不振のとき、球場まで向かう車のルートをわずかに変えたり、車内でのBGMを変えたりする程度だ。
※女性セブン2016年7月7日号