国内

安倍首相 野党呼びかけの党首討論に応じず上手に争点隠す

安倍首相は党首討論に応じず

 7月10日に投開票される参議院選挙について、朝日、毎日、産経をはじめ新聞・テレビは全国の選挙情勢調査をもとに、

〈改憲勢力 3分の2うかがう〉(毎日、産経)
〈「改憲勢力」3分の2に迫る勢い〉(TBS)

 などとほとんど同じ見出しで「安倍自民圧勝」の見通しを報じている。

 本誌が入手したある大手メディアの情勢調査のデータでは、自民党59(選挙区38、比例21)、公明党13(選挙区6、比例7)、おおさか維新5(選挙区2、比例3)と改憲支持の3党で77議席を獲得すると予測されていた。非改選組の改憲支持派(88議席)を合わせると165議席で参院の3分の2(162議席)を上回る。衆院では与党だけで3分の2以上の勢力を持っているから、参院選後、いよいよ憲法改正発議が現実味を帯びる。

 ところが、有権者には選挙戦が盛り上がっている実感はまるでない。にもかかわらず、投票率が低ければ自民党が議席を上積みし、安倍首相は木に登る。

「無党派層がそのまま寝てしまってくれればいい」

 かつて森喜朗首相はそう発言して有権者の怒りを買い、総選挙(2000年)に敗北した。安倍首相はもっと上手い手を使った。メディアを眠らせたのだ。

 まず、テレビの党首討論を減らした。首相は公示日前後に民放4局の党首討論に順番に出演した後、野党側が開催を要求しても一切受けない。民放キー局の報道スタッフが語る。

「安倍政権はアベノミクスと連呼しているが、本音は憲法改正。前回の総選挙でもアベノミクスを争点にしながら、選挙後は安保法制を強行した。それと一緒で、一番の争点を隠そうとしている。政治部の記者はそれをわかっているが、ニュースでは言えない。政権からクレームが来るからだ。仮に、党首討論をやれば野党が憲法改正を議論するから報じることができるのだが、自民党は党首討論に応じない。

 放送局の方も、どうせニュースやワイドショーで参院選を取り上げても数字(視聴率)が取れない。視聴率が取れないのに政権に睨まれるリスクをおかして党首討論をゴリ押しすることもないと考えている。視聴率が高かった舛添スキャンダルがなつかしい」

 このままでは与党の望み通り、「過去最低の投票率で3分の2の大勝」ということになる。

※週刊ポスト2016年7月15日号

トピックス

すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・Instagramより 写真は当該の店舗ではありません)
味噌汁混入のネズミは「加熱されていない」とすき家が発表 カタラーゼ検査で調査 「ネズミは熱に敏感」とも説明
NEWSポストセブン
電話番号が「非表示」や海外からであれば警戒するが(写真提供/イメージマート)
着信表示に実在の警察署番号が出る特殊詐欺が急増 今後危惧されるAIを活用した巧妙な「なりすまし」の出現
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”の女子プロ2人が並んで映ったポスターで関係者ザワザワ…「気が気じゃない」事態に
NEWSポストセブン
堀田陸容疑者(写真提供/うさぎ写真家uta)
《ウサギの島・虐殺公判》口に約7cmのハサミを挿入、「ポキ」と骨が折れる音も…25歳・虐待男のスマホに残っていた「残忍すぎる動画の中身」
NEWSポストセブン
船体の色と合わせて、ブルーのスーツで進水式に臨まれた(2025年3月、神奈川県横浜市 写真/JMPA)
愛子さま 海外のプリンセスたちからオファー殺到のなか、日本赤十字社で「渾身の初仕事」が完了 担当する情報誌が発行される
女性セブン
MajiでFukkiする5秒前(時事通信フォト)
2年ぶり地上波登場の広末涼子、女優復帰は「過激ドラマ」か 制作サイドも“いまの彼女ならなら受けるのでは”と期待、“演じることにかつてなく貪欲になっている”の声も
週刊ポスト
昨年不倫問題が報じられた柏原明日架(時事通信フォト)
【トリプルボギー不倫だけじゃない】不倫騒動相次ぐ女子ゴルフ 接点は「プロアマ」、ランキング下位選手にとってはスポンサーに自分を売り込む貴重な機会の側面も
週刊ポスト
YouTubeでも人気を集めるトレバー・バウアー
【インタビュー】横浜DeNAベイスターズ、トレバー・バウアー「100マイルを投げて沢村賞を獲る」「YouTubeは第2の人生に向けての土台作り」
週刊ポスト
ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん
《ドバイの路上で脊椎が折れて血まみれで…》行方不明のウクライナ美女インフルエンサー(20)が発見、“危なすぎる人身売買パーティー”に参加か
NEWSポストセブン
公開された中国「無印良品」の広告では金城武の近影が(Weiboより)
《金城武が4年ぶりに近影公開》白Tに青シャツ姿の佇まいに「まったく老けていない…」と中華圏のメディアで反響
NEWSポストセブン
女子ゴルフ界をざわつかせる不倫問題(写真:イメージマート)
“トリプルボギー不倫”で揺れる女子ゴルフ界で新たな不倫騒動 若手女子プロがプロアマで知り合った男性と不倫、損害賠償を支払わずトラブルに 「主催者推薦」でのツアー出場を問題視する声も
週刊ポスト
すき家の「クチコミ」が騒動に(時事通信、提供元はゼンショーホールディングス)
【“ネズミ味噌汁”問題】すき家が「2か月間公表しなかった理由」を正式回答 クルーは「“混入”ニュースで初めて知った」
NEWSポストセブン