女性セブン読者1465人を対象にアンケートをとったところ、「ゴキブリは年に数回見る程度」、「全く見ない」というかたが約5割を占めた。それならひと安心と思いきや、「遭遇しないのはたまたま。私たちが寝ている間に活動しているんです」と、ゴキブリ研究の第一人者・青木皐さん。寒い冬はおとなしくしていた“奴ら”も、気温が15℃を超え、暖かくなると活動を再開。さらに卵が孵化し始め…。
ゴキブリを“見ない”のは、“いない”からではない、と前出の青木さんは力説する(「」内、以下同)。
「ゴキブリは夜行性。天敵の人間がいなくなってから、ひょっこり出てくるのです」
そもそも、奴らはどこからやってくるのか?
「マンションの高層階だから安心と思ったら大間違い。窓から自力で入ってくるより、“人間が外から連れてくる”ケースが多い。例えば、買ってきた観葉植物には、鉢の底面や土などに卵や幼虫がくっついていることがあります。また、宅配便の段ボール箱や、私たちのかばんや服に潜んでやってくるのです」
飲食店で、かばんをかごに入れたり、ジャケットをハンガーにかけておくことは、誰しもよくあるはずだ。その時に忍び込むのだという。幼虫の体長は5mm前後なので、なかなか気づけない。
家に“住む”ゴキブリには大別してクロゴキブリとチャバネゴキブリがいる。前者は体長3cm前後、後者は1.5cm前後。約1cmの隙間があればどこにでも入り込める。チャバネゴキブリに至っては、わずか3mmの隙間さえ通り抜けられるという(ライオン調べ)。
見事、家に入り込んだゴキブリは、人目につかないよう、狭い隙間をくぐり抜け、まず水回りに向かう。
「ゴキブリは湿気が大好き。まずは、流しやお風呂場など水気のある場所に行きます。そして水分補給をしたら、居心地のいい場所に移動し、身を潜めます」
居心地のいい場所、それは、暗くて狭くて暖かい場所だ。
「狭い隙間なら、ゴキブリが嫌いな風に当たらない。ですから、テレビや電話といった家電の中や裏、段ボールは、彼らの理想的な“家”になります」
さらに、住処を見つけると、集合フェロモンを出し、仲間を寄せ集めて群生する。
「みんなで体を寄せ合っていれば、保温・保湿効果が高い上、パートナーとの出会いがあり、出産もできますからね」
奴らに出て行ってもらうには、風通しをよくすることが大切だ。
※女性セブン2016年7月21日号