米歌手のレディー・ガガが6月27日、訪米したチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世と会見、親しげに話し合い、さらにツーショット写真をインターネット上に投稿した。これについて中国共産党指導部はガガを反中的な人物とみなし、「反中敵対勢力」のブラックリストに入れ、ネット上などで、ガガの映像や画像、歌などを中国では見ることができない措置をとっていたことが分かった。AFP通信など複数のメディアが報じた。
中国内ではレディー・ガガとダライ・ラマの会見について、一般民衆を含め否定的な反応が強い。
中国外務省は「ダライ・ラマはチベット独立政策を世界に売り込んでまわっている。人々が彼の本性を見抜けるといいのだが」とガガを間接的に批判。
ネット上では「中国人は、あなたがビン・ラディン(国際テロ組織アルカイダの元指導者)と握手をしているように感じている」とか、「彼女(ガガさん)が中国のテロリストを敬愛していることの証拠。彼女はそもそも中国のファン、いや中国人全員を見下している」と手厳しい意見が多く、ガガに対して、怒りの声が噴出しているようだ。
米政府の報道機関「ボイス・オブ・アメリカ」などは、メディアや言論部門を統括する中国共産党宣伝部が「重要指示」を出して、ガガに関するすべての項目をネット上から削除し、閲覧ができないようにすることを命じたと報じた。
また、ガガを「外国の反中敵対勢力」としてブラックリスト入りに入れたが、同じくダライ・ラマとのツーショット写真をネットに載せていた米人気女性歌手セレーナ・ゴメスさんもブラックリストに入れられ、8月に予定していた中国での公演が取り消しになっている。
党機関紙「人民日報」参加の国際問題専門紙「環球時報」は「レディー・ガガは政治的に幼稚であり、これは中国にとって稲妻のように強烈なものであることを知らなかった。ダライ・ラマは中国にとっては地雷のようなものであり、知名人士がダライ・ラマに会った際、その中国社会の反応は完全に予期できるものである。ダライ・ラマに会った人々は、必ずその報いを受ける準備をしておかなければならないのだ」と指摘し、中国が今後、ガガに対して厳しい対応をとることが予想される。