7月6日にアメリカやオーストラリアなどでスマホゲーム「ポケモンGO」がリリースされて以来、日本での公開を待つ声が日に日に大きくなっている。位置情報とカメラを利用し、実際に街を歩きながらポケモンをゲットしてゆくこのゲームは、今のところアプリがダウンロードできてGPS機能を持つスマートフォンなどの端末でないと遊べない。ポケモンをきっかけに、子どものスマートフォン購入に踏み切る親が増えるかもしれない。
「新機種の売り出しが始まっても、最近は以前のように売れないです。iPhoneも前ほど動かないです。まだスマホを持っていない人が比較的多いのは、お年寄りと子どもです。携帯を買うときゲームを理由に子どもがスマホを願っても、ポケモンなら親世代も遊んだゲームだから、聞き入れやすいのではと期待しています」(家電量販店販売員)
腕時計型の「ポケモンGO」専用端末が今月末には発売されるのではと噂されているが、いまの人気ぶりを考えるとしばらくは品薄で入手困難が予想される。そうなると、スムーズにゲームを開始できるのはスマートフォンになる。そう考えると、夏休みなどをきっかけに携帯電話購入を検討するとき、スマートフォンを手に取る確率は高くなりそうだ。
現在、子どものスマホ普及率は小学生で23.7%、中学生が45.8%、高校生になると93.6%にのぼる(内閣府「平成27年度青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」調べ)。普及率が低年齢でも増加する傾向を「ポケモンGO」が加速させる可能性は高い。これは、沈滞化したスマホ市場を活性化させるよい傾向だとばかり喜んでいられない。というのも、基本的には無料で楽しめるゲームだが、アイテム課金ができるからだ。
「これまでも、子どもが勝手にスマホゲームで課金して、とんでもない金額の請求がきたというトラブルは起きています。そういったことは、スマホに機能制限をかけておけば防げたんです。ポケモンをきっかけに、家庭でスマホやゲームの使い方を話し合って、子どものスマートフォンにはペアレンタルコントロールをかける、ということが常識になってくれたらなあと思います(ITセキュリティ会社社員)
日本の家庭のネットセキュリティ意識は、「ポケモンGO」をきっかけに向上するか。