医師の間で「絶対に罹りたくない病気」として挙げられるのが急性上腸間膜動脈閉塞症だ。小腸や大腸の一部に酸素や栄養を送る上腸間膜動脈が突然詰まる病気で、早期に治療しないと、症状が急速に悪化して死に至る。
「七転八倒するほどの激しい腹痛に始まり、筋硬直などの腹膜炎症状が起こります。発症してから時間が経過すると、腸がむくんで麻痺することにより腸の内容物が停滞してしまい、腸閉塞状態に陥る。すると腹部の膨満、脱水症状、激しい嘔吐や血便などが引き起こされる。
救急搬送されてきた患者さんが、糞尿を撒き散らし、のたうち回って苦しんでいる姿を見たことがあります」(都内の救急救命医)
腸管が壊死するため、助かったとしても発症後は人工肛門の造設手術を必要とするケースが多く、生活は大きく変わってしまう。
※週刊ポスト2016年8月19・26日号