ライフ

古谷経衡氏「Hanadaがスカイライン、WiLLがセルシオ」

保守論壇を盛り上げてほしい

 月刊誌「WiLL」(WAC)は、2004年の創刊以後、保守言論をリードしてきたオピニオン誌だが、今年4月、同誌の編集メンバーが飛鳥新社に移籍し、「月刊Hanada」が創刊された。中身も装丁も似通う二誌は書店に並ぶとうり二つ。読者を大いに戸惑わせたに違いない。そこで、保守論壇で活躍する評論家・古谷経衡氏に読み比べてもらった。

 * * *
「古谷さん、WiLLが分裂するんだって! なんか事情知ってる?」という電話が知己の編集者からかかってきたのは、2016年2月26日の昼のことであった。WACが発行する月刊論壇誌WiLLは保守論壇界きっての花形部数を誇る。そのWiLLが花田紀凱編集長以下編集部員全員を引き連れて飛鳥新社に移籍、新雑誌Hanadaを創刊するというのだから衝撃だ。

 なんか知ってる? と言われても、私は単なる著者の一人であり報道以上のことは知らない。すると数日もたたぬうちにWACからくだんの「騒動」に関する一斉送信の手紙が二通も送られてきた。それは花田氏側を非難する内容であった。

 一方花田氏も自らのネットなどで顛末などを公開、反論した。すわ裁判戦、両陣営全面戦争かと身構える。

 結果、WiLLは残置され同社の「歴史通」編集長であり、「諸君!」元編集長であった立林昭彦氏が新編集長に就任する。双方にお世話になっている私にとって、両者の主張の正当性の是非を論じるのは忍びない。

 しかし、確実に言えることは保守系論壇誌を購読する読者のパイ全体が増えているわけではない、ということだ。Hanadaの登場で、有力保守系月刊誌が『正論』とともに三立することになり、既存のWiLLを含めて読者の獲得競争が熾烈になるだろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

第2次石破内閣でデジタル兼内閣府政務官に就任した岸信千世政務官(時事通信フォト)
《入籍して激怒された》最強の世襲議員・岸信千世氏が「年上のバリキャリ美人妻」と極秘婚で地元後援会が「報告ない」と絶句
NEWSポストセブン
モテ男だった火野正平さん(時事通信フォト)
【火野正平さん逝去】4年前「不倫の作法」を尋ねた記者に「それ俺に聞くの!?」 その場にいた娘たちは爆笑した
週刊ポスト
「●」について語った渡邊渚アナ
【大好評エッセイ連載第2回】元フジテレビ渡邊渚アナが明かす「恋も宇宙も一緒だな~と思ったりした出来事」
NEWSポストセブン
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
三笠宮妃百合子さま(時事通信フォト)
百合子さま逝去で“三笠宮家当主”をめぐる議論再燃か 喪主を務める彬子さまと母・信子さまと間には深い溝
女性セブン
氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
「SUNTORYドリンクスマイルBAR」
《忘年会シーズンにこそ適正飲酒を》サントリーの新たな取り組み 自分に合った “飲み“の楽しさの発見につながる「ドリンク スマイル」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン