カネのあるなしで老後や死に方は一変するものだ。カネがあれば選択肢を増やすことが可能になる。だが、家族関係に関しては「カネがあることで逆にヒビが入ることもある」と指摘するのは都内の介護施設関係者だ。
「親の年金と貯金を合わせれば有料老人ホームに入れるお金があるのに、多床室型の特養に入れたがる人たちがいる。“貯金を取り崩すと、親が死んだ時の遺産が減るから、少しでも安いところに入れたい”と考えているわけです。
最近では入居要件が厳しくなったので、お金があるのに特養に入居できるケースはほとんどありませんが、親にも“子供は遺産が減るのを気にしている”というのは伝わりますから関係はギクシャクしますね……」
※週刊ポスト2016年9月9日号