中国南部の広東省広州市郊外の農村で、都市開発に伴い住み慣れた場所から立ち退きを余儀なくされて、新築のマンションに移転した農民らへの補償のため、開発会社が800万元(約1億4000万円 ※1元=17.5円で計算、以下同)かけて、約1万5000人が参加する大宴会を開いたことが分かった。
大宴会は珍しくはない中国だが、農村部でこれだけ大規模な宴会は例がないという。ネット上では「成金農民の趣味が悪い大宴会」などと話題になっている。中国共産党広東省委員会機関紙「広州日報」が伝えた。
宴会に参加したのは立ち退きを迫られた農民やその親族などで、彼らはもともと住んでいた農村から1kmほど離れた場所にある「珠江マンション」と呼ばれる再開発地区の新築マンションに移住。
これらのマンションの時価は1家族当たり1000万元(約1億7500万円)という豪華なものだが、完成までに7年以上かかっており、その間の補償をするため、今回の大規模宴会になったという。
1万5000人が参加するため、1500個の円卓テーブルが用意され、一つのテーブルは10人用。
800万元もの宴会だけに、1人前の料理は約530元で、都市労働者の日当に相当。料理もフカヒレや北京ダックなどの高級食材が使われた。
この都市計画は広東省政府の肝いりで2009年に施工されたが、完成まで7年以上もかかっており、この間、農民らはプレハブ住宅など仮の住まいでの生活を余儀なくされていた。
このため、省政府の意向もあり、1家族にそれぞれ1000万元のマンションが与えられたほか、施工会社が今回の大宴会を開くことになったという。
これについて、ネット上では「農民を厚遇し過ぎている。内陸部の農民は都会に出稼ぎに出て、安い給料でこき使われているのに、なぜ広東省の農民だけ手厚い補償がされるのか。信じがたい」との書き込みもみられている。