鳩山由紀夫元首相が2016年11月、中国重慶市で行われた国際会議の開幕式であいさつした際、日中戦争時代に旧日本軍が同市に行った空爆について謝罪していたことが分かった。中国共産党機関紙「人民日報」(電子版)が伝えた。
鳩山氏は2015年8月、韓国ソウル市にある日本統治時代の独立運動家らを収監していた刑務所跡地で土下座して謝罪したほか、2014年1月にも中国南京市の南京大虐殺記念館を見学した際、謝罪の言葉を述べるなど、鳩山氏の謝罪行脚は止まらないようだ。
鳩山氏は11月10日、重慶市で開かれた中国国際友好都市大会に出席。旧日本軍が1938年から6年以上にわたって行った重慶市への爆撃について、「日本が中国を侵略した際に行った重慶爆撃で、重慶市の繁華街の大部分が破壊され、多くの罪のない一般人の命を奪った。ここに深くお詫び申し上げる」と謝罪の言葉を述べた。
当時の重慶市は中国国民党政権が首都にしていたことから、旧日本軍が同市を中心にしばしば爆撃を行っていた。これは「重慶爆撃」と呼ばれているが、同紙は「爆撃で、重慶市内のほとんどの地域が焼け野原になり、数えきれないほどの一般市民が犠牲になった」としている。
しかし、ネット上では、中国人読者が「政治家を引退した日本人が戦争中の日本軍の行為を謝罪するのは異例中の異例。日本では『宇宙人』と呼ばれているようだが、さすがに本当だな」との書き込みを寄せている。
鳩山氏はこれまでも極めて親中的な言動が多く、沖縄県尖閣諸島について、日中間の係争地との認識を伝えたことに関し、菅義偉・官房長官が「わが国の立場と明らかに相反する発言で極めて遺憾だ」と述べた。「日本の首相をされた方の発言として非常に残念だ」とも語り、鳩山氏の言動を批判したほどだ。
また、最近は中国が主導し、日本は参加しないとしているアジアインフラ投資銀行(AIIB)の顧問となる「国際諮問委員会」の委員に就任するなど親中ぶりに拍車がかかっている。