大豆を水に浸け、充分に水を含ませてからすりつぶしたものを“呉汁”という。これを絞ったものが豆乳で、残ったものが「生おから」。生というからには、しっかり火を通す調理法を選ばないと、と思いきや、管理栄養士の大石みどりさんはこう語る。
「現在、スーパーなどで主に流通しているのは、大豆をすりつぶした後に加熱してから搾った、新製法のおから。大豆にしっかり火が通っているので、そのままの状態で食べられます」
つまり、生で食べられる他の食材と混ぜるだけで、料理になるのだ。
「好みの野菜やハムを生おからに加え、マヨネーズで和えると、ポテトサラダそっくりの見た目で、やや軽めのさっぱり味。少量のヨーグルトや豆乳を加えると、クリーミーになります」(大石さん)
いわしの蒲焼きやさばのみそ煮など、味つけの濃い缶詰と混ぜるのもおすすめ。理由は、青魚に豊富な水溶性ビタミンなどの栄養素が溶け出した汁をおからが吸って、無駄なく食べられるからだ。缶の中身の重量とほぼ同量の生おからを合わせると、1人分しかなかったおかずを、3~4人分の料理に変身させられる。また、七味唐辛子をプラスすると、味が引き締まる。
ご飯の糖質をオフしたい場合は、炊き立てに生おからを混ぜるだけでOK。ご飯茶碗1杯分(150g)の場合、カロリーは252kcal、糖質は53.7gだが、そのうち50gを生おからにすると224kcal、糖質36.2gとなり、大幅にカロリー&糖質がカットできる。
ご飯を炊く際に、いつもの水加減のままセットした後、生おからを1~3割ほど加えて炊いても◎。
※女性セブン2016年12月15日号