日本の年末の恒例行事だった日本レコード大賞(TBS系)。しかし、最近ではNHKの紅白歌合戦に比べるとかつてほどの注目度もなく、さらに今年は『週刊文春』で買収疑惑も報じられた。しかも、今や「これ誰?」と視聴者が名前も知らない歌手が賞を競うことも少なくない。レコ大関係者が語る。
「NHKの紅白との差は開く一方です。今年の紅白はメインのスタッフの平均年齢が40代なんていわれましたが、レコ大を取り仕切るのは70代の作曲家先生。若返りしようとか、刷新して人気を取り戻そうなんて気はなく、むしろ“私物化”が進んでいる。だから、名前も知らない歌手が賞を獲って、生中継で歌を歌って、視聴者はシラける。審査委員やTBS制作スタッフも、もう呆れ果てていますよ」
前述の『週刊文春』では“レコード大賞のドン”として主催団体の日本作曲家協会会長・叶弦大氏(78才)が登場し、こう発言している。
「このような事態になったことは大変遺憾で、主催者として大変申し訳なく思っています」「伝統あるレコード大賞が汚されてしまった。当事者には、どうしてくれるのかと言いたい」
叶氏はレコ大の実質的な最高責任者だ。しかし、取材を進めると“伝統を地に落としたのは叶さん自身ではないか”という怒りの声が噴出している。
叶氏が中心になって、2015年から審査委員会のシステムが大幅に変更された。それに対し、「そんなやり方では公平公正な審査はできない」と内部の審査委員たちから非難の声が上がっている。
「20年ほど前から審査委員は、音楽や大衆動向に詳しい新聞社や通信社、テレビの記者、ジャーナリスト、音楽評論家が務めてきました。なぜなら、もし作曲家や作詞家、音楽プロデューサー、レコード会社など、利害関係のある“当事者”が審査委員になったら、自分たちと関係がある歌手や曲ばかりが賞を獲ってしまいます。