家族の一員として最高の癒やしを与えてくれるペット。しかし、なぜだか自分だけになついてくれないという悩みを抱えている人もいる。
「妻と娘が子猫を飼い始めたのですが、家族の中で、なぜか私にだけ懐いてくれません。みんなが猫と一緒に遊んでいるのを見るとちょっとうらやましいです。猫が喜ぶ遊び方や、懐かれる方法を教えてください」(岐阜県・POZさん、53才・会社員)
そんなお悩みに、国際猫学会ISFM所属、東京港区に猫専門動物病院「Tokyo Cat Specialists 」を開院する山本宗伸さんが、解決策を教えてくれた。
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飼い主が何をしても喜んでくれる犬とは違い、猫は遊ぶのにもコツが必要です。
おもちゃを使った遊びの基本としては、“狩り”を疑似体験させてあげることです。例えば、猫の獲物である、ねずみや小鳥の動きをイメージしておもちゃを動かします。おもちゃは、奇をてらわず、ひもつきで動かせるオーソドックスな形のものがおすすめ。猫が飛びついたり、引っかいたりして壊れやすいので、高価なものでなくてOK。私もいろいろ試しましたが、100円ショップで手に入るおもちゃに落ち着きました。
◆猫の好奇心を刺激! 思わず飛びつく遊び方
具体的な方法として、まず猫の目の前でおもちゃを左右に素早く動かします。猫は本能的に、ちょこまか動くものを追いかけるので、おもちゃを目で追っていたら、それは好奇心を刺激している証拠。動体視力がいいので“速すぎるかも”と思うぐらいのスピードがおすすめです。
さらに、猫が身を低くし、その場で行進するように足を動かし始めたら、飛びかかって来る合図です。こうなれば、猫の心を射止めたと思っていいでしょう。
それでもまだ興味がのって来ない場合は、おもちゃを視界から消えるように動かしましょう。柱やテーブルの影にヒョイッと消えるように動かし、隠したまま、ゴソゴソと音を立てます。この音が最後のだめ押しになるはず。猫は身を乗り出して“獲物”がどこに行ったか確認したくなり、見つけたとたん飛びついてくるでしょう。
猫は体長の5倍以上の高さをジャンプできるので、垂直にジャンプできるように動きを誘導してあげるのもおすすめです。ジャンプは体力も使うので、猫もきっと満足してくれるはずです。
◆能力を発揮させる遊びは病気やストレス予防に
“遊び”は、飼い主との信頼関係を築くだけでなく、肥満や糖尿病の予防にもつながります。また、動物は自分の得意な能力を発揮することでストレス解消になります。猫にとっては、それが動体視力やジャンプ力を使うこと。猫の本能を刺激しながら一緒に遊べば、必ず懐いてくれるはずです。
※女性セブン2017年1月19日号