アメリカ大統領に当選が決まっただけで爆発的な株価上昇をもたらしたトランプ氏。1月20日の就任式が経済や株価にどのような影響を与えるか、そしてその際、どんな投資戦略をたてるべきか、注目が集まっている。
「1月中旬に米国でもう一つのイベントがあることを忘れてはいけません。それが日本経済にも大きな影響を及ぼす」
2005年にわずか65万円の元手で株式投資を始め、約10年で資産を130億円まで増やしたカリスマ個人投資家の片山晃氏は、活況を呈するトランプ相場を冷静に見つめている。
「1月中旬頃から米国企業の決算が発表されます。この決算で、仮にドル高の悪影響が出てきたら、その現実を無視して買いスタンスを続けるのは難しいでしょう。市場関係者の中では、既にトランプ相場の『上昇材料』は出尽くしたと見ている人もいます。
投資家というのは、常に他者を出し抜こうと考えている人たちばかりです。どこかで巻き返しが起こることを想定しておく必要があります」(片山氏)
トランプ氏が大統領に就任する時、米国市場は下落相場にある可能性も否定できない。そんな相場において片山氏は「拾い物銘柄が出ている」と言う。
「現在、就任式を前に中小型株が売られています。その株自体が売り時だからではなく、機関投資家が“大型株を買うために他の株を整理した結果”です。この上昇相場では大型株に人気が集中しますから、ポートフォリオの変更時に売られただけで、そんな中小型株のなかには、その後の成長性を考えると十分に割安になった銘柄も出てきているのです」
なぜ売られたのか? を考えることが必要だという。では、どんな株が優良だと考えているのか。
「“時代の大きなトレンド”に乗る投資は手堅いと思います。私の持ち株を一部紹介すると、高齢化社会に対応した老人ホームや心臓カテーテルの会社、電子書籍の会社などです」
トランプ相場で儲けるためには冷静かつシンプルな分析が必要なのだ。
※週刊ポスト2017年1月13・20日号