「竹島に慰安婦像設置」を計画する「独島愛・国土愛の会」の会長である閔敬善(ミンギョンソン)氏を本誌・週刊ポストは直撃し、なぜ竹島に慰安婦像を設置するのか、日韓問題をどう考えているのかを尋ねた。
すると、閔氏は「外交的なことは政府や国会が何とかしてくれる」「経済の問題と一緒にすべきではない」と回答。日韓通貨スワップについては「日韓は経済的に密接な関係にある。経済のことはその枠の中で進めていくべきであって、それを他の問題と一緒にすべきではない」と語るなど、支離滅裂な珍問答が続いた。さらに閔氏は次々と珍妙な“ロジック”を展開した。
「慰安婦問題を解決する責任は韓国側ではなく、日本側にある。また、日韓は経済共同体であるために、スワップの中断は日本経済に対しても悪影響を及ぼすことになる。だからなおのこと慰安婦問題について、日本は心からの謝罪と反省が必要だ。
独島に少女像が建てられれば、『平和の少女像』として日韓両国に平和をもたらしてくれると考えている。日韓友好の象徴になるので、日本大使館前に慰安婦像を置くことと同じように重要なのだ」(閔氏)
このハチャメチャな理屈で竹島に慰安婦像を建てようというのだから、“無知”の怖さに呆れるしかない。
改めていうまでもないことだが、元慰安婦を含む個人への戦時賠償は1965年の日韓請求権協定によって「完全かつ最終的」に解決している。そうした法と論理に基づく事実を理解しているとは到底思えない。
何よりも、竹島に慰安婦像を設置する運動によって、韓国が国家的な危機に陥る可能性があることをわかっているのだろうか。
※週刊ポスト2017年2月3日号