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コインロッカーに遺骨放置で逮捕、「死体遺棄」になる理由

遺骨遺棄の裏にある現代社会の闇

 1月14日、読売新聞の朝刊に《コインロッカーに妻の遺骨遺棄容疑》との見出しでこんな記事が掲載された。

《コインロッカーに妻の遺骨を捨てたとして、丸の内署は13日、千葉県市川市東菅野、弁当工場勤務鈴木照司容疑者(74)を死体遺棄容疑で逮捕したと発表した。

 同署幹部によると、鈴木容疑者は昨年9月30日、JR東京駅のコインロッカー内に妻の遺骨を納めた骨つぼを捨てた疑い。容疑を認め、「別の女性と一緒に住むことになり邪魔になった」と供述している。鈴木容疑者の妻は2014年8月に病死し、火葬後の遺骨を鈴木容疑者が自宅で保管していたという》

「遺骨でも死体遺棄容疑になるの?」と疑問に思った人も多いだろう。本題に入る前に、まずはその理由について解説したい。

 フラクタル法律事務所の弁護士・田村勇人さんは、刑法190条にある《死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する》を示しながら、こう説明する。

「正式には『死体損壊等の罪』で、報道では『死体遺棄』『遺体遺棄』などとも伝えられます。

 そもそも火葬後の遺骨は、墓地埋葬法に、墓地と認められている場所に埋めてくださいとの規定があります。ただそれ以外の記載がない。いつまでに埋葬しなさいということも書かれていないので、自分の手元に置いておくのは問題ありません。ただし自宅の庭や空き地などに勝手に埋めるのは違法となるわけです。

 これは多数人の精神的な嫌悪感を保護する法律だと考えられていて、例えば隣に住んでいる人が、ご主人が亡くなった後、その骨を庭に埋めたと言われたら、それはちょっと気持ちがいいものではありませんよね。そういう意味合いがあります」

 ただし、今回の事件に関してはこの墓地埋葬法とは関係がないという。

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