投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の1月30日~2月3日の動きを振り返りつつ、2月6日~2月10日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落。終値ベースでは1月24日以来の19000円を下回っている。決算発表が前半戦のピークを迎える中で機関投資家は積極的には動けず、指値が膨らみづらい中をインデックスに絡んだ商いに振らされやすい需給状況だった。この需給のなか、トランプ米大統領による大統領令連発が政治的混乱に発展する格好となり、相場の変動要因となった。トランプ大統領は「入国制限に反対した司法長官代行を解任」、オバマ前大統領がオーストラリアと交わした難民受け入れ合意は「ばかげた取引」だとツイッターに投稿し、この合意の取り消しを示唆。
また、難民問題で豪首相と会談中、唐突に電話を切ったとも報じられた。さらに、通貨安批判の矛先が向かうなか、円相場を睨みながらの相場展開となっており、円相場は再び1ドル112円台へ。トランプ大統領の強硬な外交手法への警戒感から方向感が掴みづらく、物色は決算を手掛かりとした個別対応となった。
今週も多くの企業が決算発表を予定しており、トヨタ自<7203>、ソフトバンクG<9984>などメイン処の決算が予定されている。特に市場の関心は集まりやすく、相場全体の方向性にもつながる可能性がありそうだ。ただ、機関投資家は積極的には動きづらい状況であり、先物主導によるインデックス売買の影響を受けやすい。10日には日米首脳会談がワシントンで行われるが、政策期待というよりは、トランプリスクへの警戒感が高まりやすく、より商いを手控えさせることにつながろう。