数ある漫才コンテストのなかでも、とりわけ上方の若手漫才師たちのステータスとなっているのが、「NHK上方漫才コンテスト」。最近でも、銀シャリ(2010年優勝)、ウーマンラッシュアワー(2013年優勝)、和牛(2014年優勝)らを輩出しており、ここからスターダムにのし上がる芸人たちも少なくない。そうした中で2月24日に行われた第47回大会では、ゆりやんレトリィバァ(26)が、女性ピン芸人初の優勝を果たした。
芸歴3年目という異例のスピードで優勝した彼女だが、2013年には吉本興業の養成所NSCを首席で卒業するなど、お笑い界きってのエリートとして評価は高い。お笑いウォッチャー・A氏(男性・32歳)は、ゆりやんの魅力についてこう語る。
「彼女の十八番である『アカデミー賞受賞女優』のネタでは、流暢っぽい英語を披露していますが、大学(関西大学文学部)時代に英語を学んでいたわけでもなく、趣味の映画や友人の影響で自然に身についたといいます。Twitterでもしばしば自分のネタや英語を織り交ぜたツイートをしていますし、見えないところで色々な努力をしている人だと感じます。
先輩芸人にも男女問わず可愛がられているので、立ち回りも上手いのでしょう。ハイヒールリンゴさんが『世界観があって羨ましい』、『ゆりやんは必ず笑いを取って帰ってくれる』とその安定感を評価したように、玄人からの評価も高い若手芸人の1人です」
また、お笑いライターのBさん(女性・35歳)も、数多いる女性のピン芸人の中でもゆりやんの実力を高く評価している。
「大舞台でも萎縮せず、ガンガン攻めていく姿勢が素晴らしい。芸歴3年ほどで、あそこまで物怖じせずにネタができるのは、自分の笑いに自信があるからでしょう。同い年の芸人・横澤夏子と同様、独特の視点で対象を戯画化するのが上手い。
最近では、平野ノラさんやブルゾンちえみさんなど、女性のピン芸人が次々と人気者になっていますが、私はゆりやんが一番底力があると思います。彼女が敬愛する友近のように、芸能界で長く生き残っていく素地がある女芸人さんでしょう」(Bさん)
お笑いコンビだけでなく、ピンの女性芸人も増えて来た昨今。入れ替わりが激しく生き残りが困難な世界だが、持ち前の度胸とセンスの良さで長く笑いを生み出し続けてくれるかもしれない。