思わず懐かしさが込み上げる、丸くてふわふわのフォルム。素朴で庶民的なこのコッペパンが今、全国に専門店がオープンするほど人気者になっている。『コッペパンの本』の著者、木村衣有子さんにブームの理由を聞いた。
「岩手県に“岩手県民のソウルフード”と呼ばれるコッペパン専門店『福田パン』というお店があり、その系列店である『吉田パン』が4年前都内にオープンすると、大行列ができて一躍注目されました。もともと学校給食のおかげで老若男女誰でも知っているパンですから、受け入れやすさはありますよね。
さらに最近の特徴では、サンドイッチ感覚で具だくさんを売りにしているお店も多く、新しいお店は手土産にできるほど華やかなものが多いです。給食を連想してあまり良いイメージを持っていないかたもいると思いますが、かつての給食より格段にレベルが上がっているので久々に食べるとおいしくてビックリしますよ」
「吉田パン」はコッペパンブームの火つけ役といわれる亀有の行列店だ。注文を受けてからたっぷりのジャムやクリームを塗って仕上げるので、いつでも作りたて。好みに応じて具材のカスタマイズも可能で、「カレーにあん」といった個性派メニューも試せる。
焼いたり切ったりなど加工する手間もかからず、甘い系なら子供のおやつ、総菜系なら男性も満足できる対応力の高さも嬉しい。元祖・庶民のパンであるコッペパンは、進化した今も庶民の味方だ。
写真は、「そぼろレンコン(ポテトサラダ入り)」(300円)。シャキシャキレンコンとポテトサラダの組み合わせは、約200gとずっしり重い“おかずコッペ”だ。
※女性セブン2017年4月27日号