女性セブンの名物還暦記者“オバ記者“こと野原広子が、世の中で起きている様々なトピックにメスを入れる! 今回は東京都議選についてのお話です。
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あまりに大変なことが起きているので今一度、都議選について書く。その昔、「1980年代、女の時代」といわれたけど、実際はがちがちの男社会。男女雇用機会均等法が始まったところで、職場はおっさんの気持ちの忖度場。
そこから少しでも外れると「女だてら」「女のくせに」「女のわりには」と、“女”を持ち出されたっけ。それがここにきて、本当の意味で女の時代が来たのよ。今回の都議選の主役も脇役も、みんな女だもの。主役は都民ファーストの会をつくって49議席も獲得した小池百合子氏なのはいうまでもない。
私が注目したのは、小池チルドレンを誕生させた陰の功労者たちなの。安倍政権にケチをつけた妻の昭恵夫人しかり、「このハゲ~」の豊田真由子しかり、「誤解」を繰り返した稲田朋美防衛大臣しかり。森友学園の籠池諄子さんも小池氏に追い風を送ったひとりよね。
ベビーフェースだけじゃなく、ヒール役まで次から次に女が登場した時代があったかしら。もちろん49議席中、17人が女性議員の都民ファーストの会を心配する人もいるよ。「政治の素人に何ができる。チャチなおもちゃ政党。すぐ壊れる」と。
私だって、「小池さんが推すから」という理由だけで、若い候補者の名前を書く時は、かなりためらったわ。それでも書いたのは遊説のときの空気を信じたから。
小池氏の演説は、「そうだ」と思うことも多いんだけどね。でも本人がどっか冷めて聴衆を見渡しているからこっちも熱くなれないんだよ。都知事選のときから熱気むんむんとはほど遠い理路整然な話しっぷり。
この馴れ合わなさをいいなと思ったの。不適任者を引きずらない時代にふさわしい親分なんじゃないかと。
いずれにしても、熱くなって勝手にコケる政党のふつうのおじさんの時代は、この都議選で完全に終わったのかもね。
※女性セブン2017年7月27日号