大人になると、仕事や習い事でもしていない限り、なかなか新たな出会いには恵まれない。ところが最近、男女問わず、さまざまな世代の出会いの場となっているのが、スマホなどのネットゲームだ。
ゲーム内には、プレイヤー同士で会話ができる機能がついており、ゲームをするだけでなく、情報交換や世間話もできる。この機能を駆使して20人以上のゲーム友達と仲よくなり、実際に会っているという40代の女性ゲーマーは、ネットゲームでの出会いについてこうすすめる。
「ゲームが好きな人同士が集まるから、初対面だろうと、年の差があろうと、話題に困らないんです。今のところ、エッチ目的やマルチ商法の勧誘にあったこともありません。比較的安全な出会いの場だと思いますね」
というのも、ゲームにはその人の“本質”が表れるからだという。攻撃的だったり執着心の強い人は、プレイスタイルに出てしまう。だから、“この人はイヤ”と思ったら、誘われても会わないなどリスク回避ができるのだ。
◆ハマり過ぎに注意 依存しない程度に
ネットゲームは、そもそもゲーム自体がおもしろい。ユーザーを飽きさせないよう、さまざまな仕掛けが施されているからだ。そのため、日常生活に支障が出るほどハマる人もいるのは事実だ。
ネット依存外来がある久里浜医療センターの臨床心理士・三原聡子さんは、「現実世界での悩みやストレスから逃避するかのようにゲームの世界にのめり込む中年女性もいます。毎月何十万円も課金し、睡眠時間を削ってまでゲームの世界に没頭してしまうんです」と教えてくれた。
中には、ゲームのやりすぎで離婚されるケースも。
「ゲームの世界の“私”は、素敵な衣装を着て強い武器を持った美人に設定されています。困ったら、カッコよくて強い仲間がすぐに助けてくれるし、敵を倒す一体感からか、みんなとてもやさしい。現実とは大違い。ハマると抜けられなくなる気持ちはわかります」(42才・主婦)
仮想現実で日頃のうっぷんを晴らし、新たな友達を作るのはいい。しかし、ゲームも人間関係も自制が利く程度の、節度を保ちつつ楽しみたい。
■文/沢木文
※女性セブン2017年8月10日号