ライフ

“汚文字”の森永卓郎氏 数字だけはきれいに書けと矯正された

森永卓郎氏も“汚文字”で苦労したという

 壊滅的に汚文字(おもじ)というわけではないけど、年齢相応とは言い難い自分のビミョ~な字に悩まされている人は多いはず。大人になったら自然ときれいな字になっていくと思っていたのに、現実はそうではない。時に、汚文字は「災い」をもたらすこともある。

 静岡県在住の主婦・相葉唯さん(仮名・42才)は、小学3年生の息子が新学期に持ち帰った「担任からの手紙」を読んで首をかしげた。

 そこには、「通知表にある『親御さんの感想欄』を息子さんが自分で書いてしまったようです」と書かれてあった。

「『間違いなく私が書いた覚えがあるのですが…』と担任の先生に電話で伝えると『えっ、お子さんの字かと…』と絶句されました。私は昔から汚文字でしたが、まさか小3と間違われるなんて、わが手を呪いました」(相葉さん)

 経済アナリストの森永卓郎さんも汚文字で苦労した1人。子供の頃から自分の字が汚すぎて自分でも読めなかったという森永さんは、学生時代はきれいな字を書く必要を感じなかったので放置していたが、日本専売公社(現JT)に入社後、主計課に配属されると“矯正”された。

「国の予算を各支社に分配する仕事で、数字を1つ間違えると上司のクビが飛ぶ職場でした。漢字や平仮名はともかく、数字だけはきれいに書けと徹底的に叩き込まれたので、今も数字だけはきれいに書けます(笑い)」(森永さん)

 この作業を通じて、「人に読んでもらう字を書く」ことの大切さに気づいたが、漢字や平仮名を矯正するには時間と手間がかかる。そこで誰よりも早くパソコンを購入し、文字は機械に任せることにしたと言う。

「給料が10万円の時代に100万円以上のパソコンを買いました。おかげでかなり速くキーボードを打てますが、手書きの字は今も汚く、ご祝儀や香典を出す時に肩身が狭い思いをします。

 昔は“汚い字でもいいや”と思っていたけど、大学の教員になってから、学生のテストの答案が殴り書きだとイライラする。やっぱり読みやすく丁寧な字で書かれた答案は思考が整理されているように見えますから」(森永さん)

 ベストセラー本『字が汚い!』(文藝春秋刊)の著者で汚文字に悩む新保信長さんは小学1年生の頃から、先生に「字が汚いから書き直せ」と提出物を突き返されていた。

「小1にして字の汚さを自覚していました。学生時代、進研ゼミの『赤ペン先生』のバイトの試験に落ちたのも、字が汚かったからだと思います(苦笑)」

 字が汚いまま大人になった新保さん。その後、フリーの編集者として、大物漫画家に企画の協力をお願いするために何年かぶりに自筆の手紙を書いた時、思わずこうつぶやいた。

「何じゃこりゃあ!?」

 新保さんが当時を振り返る。

「自分のイメージより、はるかに子供っぽい文字が並んでいたんです。もともと下手だったのにパソコンで文字を打つようになり、手書きから離れていたら、ますます下手になった。いくら真面目に書いてもふざけているようにしか見えず、絶望しました」

※女性セブン2017年9月28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《水原一平の裁判資料で発覚》大谷翔平が激怒した「ギャンブルコラ画像」の販売「名声と善意を傷つけられた」検察は被告を「強欲」と糾弾
NEWSポストセブン
一連の騒動について責任を追及する声は止まず、質疑応答は10時間以上に及んだ
《フジテレビ10時間超え会見》「静かにしてください、マジで!」通販新聞・佐藤記者が現在の心境を吐露「むしろ反省しています…」と恐縮
NEWSポストセブン
協会トップの八角理事長はいまの大相撲に何を思うのか
八角理事長が初場所中に語っていた“横綱空位”への危機感 豊昇龍らに叱咤激励「本来は照ノ富士を倒して上がってきてほしかった」
週刊ポスト
改めてオープンな形で行われた“やり直し会見”
「知っていたらすぐ打ち切っていたのに…」フジ・バラエティ現場が港浩一社長の会見に“本音”を吐露《「女性を守ることを最優先に」へ社内から疑問の声》
NEWSポストセブン
送検される矢口容疑者(時事通信フォト)
《長野駅前・3人連続殺傷》「警察? 呼べるもんなら呼んでみろ!」“水も電気も止まっていた”矢口雄資容疑者(46・無職)が正月に見せていた“奇行”
NEWSポストセブン
30歳の誕生日を迎えられた佳子さま(時事通信フォト)
《姉・眞子さんが結婚した30歳に…》ご公務が増える佳子さまに「結婚に向けたラストスパートに見える」との指摘も
NEWSポストセブン
AEDをめぐって、SNSを中心に喧々囂々の議論が巻き起こっている(写真/イメージマート)
《ABEMAに疑惑》「AED人命救助したら強制わいせつで被害届」現役医師が違和感を覚えた”毛布・名刺・倒れた女性”のナゾ 広報部の回答は
NEWSポストセブン
フジテレビの社長を辞任することを発表した港浩一氏(左/時事通信フォト)
《X子さん強制参加の誕生日会》フジ・港浩一社長が語った“編成幹部A氏関与”と「楽しませていただいてありがたかった」「思いが至らなかった」
NEWSポストセブン
SNSでの誹謗中傷を許さないという思いがある美智子さま(2025年1月2日、東京・千代田区。撮影/黒石あみ)
美智子さまの側近としてサイバー犯罪捜査のスペシャリストを招聘、SNSでの誹謗中傷も影響か 宮内庁はインスタによる広報を充実させるべく前年比10倍以上の予算計上
女性セブン
港社長、中居正広氏の
《とんねるず石橋貴明、直撃にショック隠せず》盟友・中居正広は引退、“育ての親”港社長は辞任「フジテレビを滅ぼすなよ」と歌った過去
NEWSポストセブン
渦中の被害者X子さんは港浩一社長(左)の「誕生日会」にも強制参加(時事通信フォト)
《フジテレビ問題》女性アナが参加する“港社長の誕生日会”に渦中の被害者X子さんが出席させられていた 会見時の「ないと信じている」発言に呆れる社員も
週刊ポスト
24時間利用可能で人気を博す『エニタイムフィットネス』(AFP=時事)(本人Xより)
《丸出しサンタコスで若い女性がトレーニング》24時間ジム内で過激な動画を撮影してSNSに投稿…『エニタイムフィットネス』は「強い憤りを覚えます」「然るべき対応を行っていきます」と回答
NEWSポストセブン