秋田県大館市にある映画館『御成座』は、あらゆる意味で他の映画館とは違っている。築60年を超える建物は超レトロ。上映中の映画の看板は手描きで、ロビーには古い映画のポスターが飾られ、まるで昔にタイムスリップしたよう。極めつきは、館長不在の時に代理を務めているのが、真っ白いウサギなのだ。
「ここまでの経緯を話すとすごく長くなってしまうから端折っちゃうと、今から3年くらい前、当時は閉館してたこの映画館をうちの家族が自宅として借りたんですよ。そしたらみなさんから『映画館が復活するの!?』と聞かれて、やることになったんだよね」
館長の切替さんの本業は、電気通信工事業。もともと映画好きだったこともあり、上映設備はプライベートシアターとして使用するつもりだったのだという。
「だからお客さんも、ちょっと大きめのホームシアターだと思って観に来てほしいんだ。ボクはいつもロビーにいるから、みなさんのペットだと思ってかわいがってね」
訪れるのは大館市内のシニア層が多いというが、
「ボクがネットで有名になってからは、全国からお客さんが来てくれるんだ」
と、自慢げに鼻をピクピク。
「シネコンとは違う、古い映画館のよさを楽しんでもらえたらうれしいな」
【プロフィール】
名前:てっぴー ♂
年齢:3歳
種類:うさぎ
勤務先:御成座
職種:館長代理
主な仕事内容:お客さまのお出迎えとお見送り。看板にこっそり登場。
お給料:大好きなうさぎ用オヤツ『あまえん棒』
好きなこと:イスの下でひっそりお休み。タンポポをほおばること。
嫌いなこと:追いかけられると逃げちゃうよ。
現在の悩み:恋人がほしいけど、女の子うさぎとの出会いがなくて…。
将来の夢:うさぎが登場する映画を御成座で上映したいなぁ。
撮影/山口規子
※女性セブン2017年10月12日号