森友学園を巡り財務省の決裁文書が改竄された問題で佐川宣寿・前国税庁長官が国会に証人喚問されるなど安倍政権はピンチに陥っている。永田町や霞が関にいる現職議員、現役官僚の空気は一変した。
これまでは安倍政権がピンチに陥ると、親安倍の議員たちが安倍批判派を猛烈に攻撃して黙らせてきた。森友疑惑に森友疑惑が浮上したときにはそれが成功した。ところが、いまや安倍擁護をすれば逆にバッシングを浴びる。
和田政宗・参院議員は3月19日の予算委員会で、太田充・理財局長が「(改竄の影響として)政府全体の答弁は気にしていた」と暗に認めたことに対し、「安倍政権をおとしめるために意図的に変な答弁をしているんじゃないか」と攻撃した。
官邸が、役人に都合の悪い答弁をさせないために親安倍議員を使って与党質問で圧力をかけるのは、この政権の常套手段でもあった。
その手法はこれまでは通用していたが、今回は反応がまるで違った。和田質問は与野党の激しい批判を浴びて議事録から削除され、麻生財務相から「軽蔑する」とまで言われたのだ。
※週刊ポスト2018年4月6日号