円高を悲観論だけで語るのは愚かだ。現在は「最強国家」を創造するまたとないチャンス。日本が買うべき「超優良資産」を紹介しよう。
最先端技術を扱う業界は、まだその企業価値は低いが、期待されるのは将来性だ。円高のいまのうちに買っておいて、後にその技術を独占できれば、大きなリターンを望める。
例えば、世界的な環境問題への関心の高まりから、注目される太陽光発電分野。現在、中国のサンテックパワーなどが急成長を遂げているが、世界1位から10位までの企業のシェアは、3-8%と団子状態だ。そこで、世界1位のQセルズ(独)と2位のファーストソーラー(米)を日本が買収し、世界4位のシャープ、6位の京セラなどと業務提携、開発協力を行なえば、業界では飛び抜けたグループとなる。そうすれば、開発や生産コストの削減に繋がり、太陽光発電の普及のネックだったコストダウンが可能になる。
買収額は上位2社を合わせても1兆円余り。07年時には2兆円だったから、今は“半値セール”状態だ。
同じく環境対策として注目される電気自動車(EV)業界で最先端をいくベンチャー企業が、この5月にトヨタが一部出資したテスラ・モーターズ(米)とBYD(中)だ。大メーカーにない一歩先の技術を持っていることが魅力。両社合わせて約1兆5000億円也。これらを手中に収めれば、世界のEV開発競争で日本が優位に立てる。
将来、世界中が欲しがる技術を、安価なうちに買っておくという戦略は有効だろう。
※週刊ポスト2010年9月10日号