日本では無名だが、アメリカで「イチローや松井より有名」といわれているのが米在住コメディアンで司会者の神田瀧夢(ろむ)。アカデミー賞の授賞式では、マライア・キャリーなど錚々たるスターが握手を求めにきた人気者だ。
「米ABCテレビで08年6月からバラエティー番組『Survived a Japanese Game Show』の司会を務めてます。メジャーネットワークの全米テレビ番組での日本人司会者は米史上初」(テレビ局関係者)
番組の決め言葉「MAJIDEまじでー!」はアメリカ人の間で知らぬ人はないほど。
しかし、アメリカで成功するまでの道のりはかなり厳しいものだった。
だんじり祭りで有名な大阪・岸和田で生まれた神田。父は臨床検査技師で、母は看護師という家庭で育った。そんな彼は大学時代のロンドン遊学を機に、世界で活躍することを夢見るようになる。
日本に戻ってからの16年間は、剣道、合気道、狂言など、日本の伝統芸能を必死で勉強。その間、俳優として、『ソナチネ』など、北野武監督作品にも出演している。99年、勝負をしようとニューヨークへと旅立つ。各メディアやプロダクションなどを1日7、8軒、合計160軒をまわるが全て断られ、やっと決まったのが現在のエージェント。その後、『ラストサムライ』のオーディションにも応募するが不合格。
「実際に映画を観るまでわからなかったのですが、ものすごく小さな役に対しても総勢100人以上の大きなオーディションが行われたんです。私は2次審査まで呼ばれて監督にも会いましたが、ハリウッドは本当にすごい!と身にしみて感じました。オーディションでは悔しい思いをしたので、日本でも有名になってアメリカに“逆・逆輸入”してやろう!と思っています」
コメディアンとしての知名度が高い神田だが、それも俳優の仕事のひとつだという。
「司会、パントマイム、殺陣、ダンス・・・何をやっても自分は役者だと思っています。今後も東京、LA、NYと“地球”を拠点に一生役者を続けていくつもりです」
狙うのはアカデミー賞主演男優賞!?
※女性セブン2010年9月9日号