9月14日に行われた民主党代表選は菅直人首相が小沢一郎前幹事長を破り、再選した。「党員・サポーター票」は菅氏249ポイントに対し、小沢氏51ポイントと大差がついたが、「国会議員票」は菅氏の206人(412ポイント)に対し、小沢氏は200人(400ポイント)を獲得。小沢氏は議員から何が支持されたのか? 自民党の元郵政造反組で民主党に転じた川上義博・参院議員が代表選を控え、率直に語っていた。
「民主党の議員の多くは小沢さんのような強いリーダーシップが必要だとわかっているが、小沢支持を公言すればマスコミに叩かれて火の粉をかぶることを恐れている。地元の有権者から『どうして小沢さんを支持するのか』と聞かれると説得できないで窮している。菅執行部も小沢氏を排除すれば支持が高まると考えて脱小沢といっているわけです。それは党にとっても国民にとっても不幸です」
さらに、民主党のある若手議員も告白していた。
「支援者と話していても、新聞の世論調査のいうように国民の8割が反小沢とは全然感じない。だが、小沢支持といえば新聞に『小沢チルドレン』と書かれ、逆に生方幸夫氏のように小沢批判をすればマスコミの寵児になれる。
だから若手議員は自分からは声をあげにくい。そして一般国民は小沢さんは党内でも支持が低いと思ってしまう。国会のねじれより、国民と民主党のねじれのほうが今は重大な問題だ」
大マスコミが作り出す小沢氏のイメージがあまりに悪過ぎ、議員が本音を言えない状態もあったというのが民主代表選の一側面だったようだ。
※週刊ポスト2010年9月10日号