今年7月、東京都足立区で、戸籍上は111才になる加藤宗現さんがミイラ化遺体で発見された。加藤さんが発見されたきっかけとなったのが、民生委員のA子さん(73)の存在だが、彼女の鋭い洞察力がなければ、加藤さんの遺体はいまだに発見されていなかったかもしれない。
18年にわたり民生委員を務めてきたA子さん。今年11月で民生委員の任期が満了となる彼女は、生きていれば日本一の高齢となる加藤さんの安否を直接尋ねるため、12年ぶりに加藤さんの自宅を訪ねた。
応対した加藤さんの孫にあたる男性は「はい、元気にしております」と答えため、A子さんは「じゃあ、会わせていただけますか?」と質問。すると、男性が「実はもう面倒見切れないので、岐阜の施設に預けてあります」と答えたため、ここでA子さんはピンときた。
というのもA子さんは、事前の調査により、加藤さんが介護保険も健康保険も使っていないことを把握していた。それゆえ「111才になるまで健康保険を使っていないという事実もおかしいなと思っていたところ、今度はお孫さんが宗現さんは施設にはいってるというじゃありませんか!施設にはいっているなら、介護保険を使わないはずがないでしょ?」と、思ったのだ。
結果的に彼女の発見と執念により、加藤さんの遺体の存在が明らかになったのだった。
※女性セブン2010年9月9日号