元大関琴光喜や前・大嶽親方の解雇をもたらした大相撲の野球賭博問題。暴力団員の影が背後に見え隠れするが、なぜ、力士は暴力団員に付け込まれるのか。ジャーナリストの伊藤博敏氏が解説する。
「暴力団関係者の結婚式や忘年会に演歌歌手が招かれた歌い、試合後のプロ野球選手やプロボクサーを酒と女で慰労する――そんなことが当たり前のように行われていた時代が過去にあった。
しかし今は、反社会的勢力(反社)と認定された人間との付き合いが、芸能人やスポーツ選手にとっても命取りになる。タレントである前に、『良識ある社会人』であることを求められている。
最後まで『甘い認識』を持ち続けてきたのが角界だった。浴衣にちょんまげという大時代的な大男たちと、見栄っ張りな暴力団幹部との繋がりは、力士側の博打好きとごっつぁん体質もあって、妙に深く、その環境の中で育った親方衆が付き合いを制限をしないことから、途切れることなく続いてきたのだ」
※SAPIO2010年9月8日号