現在公開中の映画『キャタピラー』の監督・若松孝二氏が、主演女優の寺島しのぶ(37)の撮影エピソードを紹介している。
「最近の女の子は随分と足が長くなってスタイルもよくなった。けど個性がなくなってきたね。特にカメラを持つ際にそう思う。同じ顔に同じ演技で、当然エロスなんか感じやしません」という若松氏。
だが若松氏は、寺島しのぶを「内面から滲みでる美しさ、エロスが違う」と大絶賛し、その理由を「今の女優は皆、ドーランを塗りたくり、皺を見せたくないから目だけで笑ったり泣いたりする。何とも味気ないこと。でも寺島は化粧もせずに、皮膚で芝居をする。喜びや苦労を微細な皺や一筋の汗で表現できるんだね」と説明している。
そして若松氏は、「濡れ場だって、こっちが注文しなくたって黙って自らパンツを脱ぐ。『やっぱりするときはパンツを脱ぐでしょう』ってね。マネージャーは慌てていたけどね(笑い)」というエピソードを紹介。
「メークや衣装で飾らなくとも生身の人間はここまで美しい。流行りばかり気にして個性とエロスをなくした現代の女性たちに、彼女を見習って欲しいと思うよ」というメッセージを、世の女性たちに送っている。
※週刊ポスト2010年9月17日号