登山での遭難事故が相次ぐ。登山ブームの昨今だが、万が一事故に遭った場合にかかる費用は事前に知っておいた方が良いだろう。たとえば、ヘリコプターで救助された場合はいくらかかるか?
秩父連山近く、埼玉県中部の川島町「県防災航空センター」に配備されているのが、11億円のフランス製、ドクターヘリである。もしヘリが出動すれば、1分1万円、2時間で120万円かかる。数日繰り返せば莫大な経費となる。
救助には当然費用が要る。公共のほかに、地元の「山岳協会」が動員されると、捜索費はさらにふくらむ。
彼らはそれぞれふだんの仕事を持っている。危険をかえりみず救助活動に従事する。日当は、夏山でひとり1日3万円。5人で3日捜すと45万円。冬なら5万円。以下明細―。山岳共済保険料、食糧費、通信費、移動車両代、燃料費、民宿山小屋宿泊費、ザイル、ヘッドランプ、ヘルメットなどの装備品補充。これらが、人数×日数となる。
安易な救助要請を問題視する声もあがっている。
※週刊ポスト2010年9月17日号