2010年セ・リーグのペナント争いは巨人、阪神、中日で大混戦。鍵を握るのは、意外にも元阪神監督で現在は同シニアディレクターを務める星野仙一氏だという見方がある。
星野氏の古巣で、過去2度にわたって監督を務めた中日について、あるスポーツジャーナリストが語る。
「中日は、白井文吾オーナーの寵愛を受ける落合博満監督がマスコミ嫌いで、記者にあまり情報を漏らさない。そのため、親会社の東京中日スポーツですら、先発投手予測を何度も外す始末。営業面はもうボロボロです。球界だけでなく、地元政財界とつながりが強く、観客動員力に優れていた星野さんの復帰待望論が出始めた」
チームの活躍とは裏腹に、前半戦を終えた時点での観客動員数で、中日はこれまで死守してきた1試合平均3万人を下回った。7月に記録した5試合連続完封勝ちのプロ野球新記録の時でさえ客足が伸びなかったのだから、かなり深刻だ。経営サイドが“営業力”に定評のある星野氏の力を頼りにしたい気持ちもわかる。が、選手たちはメーワク顔。
「星野監督時代を知っている人間から、色々な話を聞いていますからね。“捕手の●●さんが殴られすぎてマスクがかぶれなくなった”という鉄拳制裁は有名です。チームが勝てばお客さんは来てくれて、星野さんの人気に頼らなくて済むと信じ、必死のプレーが飛び出しています」(中日担当記者)
さらにこんな声も。
「“勝手に名古屋を去っておいて、いまさら復帰は虫が良すぎる”という反応ですね。ナインの希望は、落合監督の次は立浪和義監督という路線でしょう。それを実現するには、やはり勝たねばならない」(前出の中日担当記者)
※週刊ポスト2010年9月17日号