ライフ

「カラオケをうまく聞かせる5つのコツ」をプロが伝授

平尾昌晃

 今やカラオケ人口は4500万人を超える。とはいえ、多くのカラオケ愛好家の最大の悩みといえば、「いかにうまく歌うか」に尽きるだろう。今回は、『カナダからの手紙』などのヒット曲でお馴染み、歌手・作曲家の平尾昌晃氏が、カラオケの極意を教えてくれた。以下、平尾氏の解説だ。

 * * *
 いま私は都内で音楽スクールを開いているのですが、カラオケ好き中高年の方々が知りたがるのは、キレイな発声法はもちろんですが、突き詰めれば「どう歌えば“さま”になるか」ということなんですね。

 で、これはいくつかあるコツをマスターすればさほど難しいことではありません。キーワードを並べると次の5つです。

【1】情景を思い浮かべる
【2】メッセージは一人のターゲットを決める
【3】ベースの音をよく聞く
【4】歌詞の「色変わり」を追う
【5】デュエットは耳をステレオにし、目線を交わらせる

「情景を思い浮かべる」というのは、歌う本人が曲の内容、そこに描かれている情景を頭に浮かべながら歌うということですね。実はこれをやっていない人が非常に多い。漫然と歌詞を声に出していると、聞く人がグッと来ないんです。メッセージを発する本人が歌そのものをちゃんと理解するということですね。

 また、歌のメッセージを、聞く人の「耳」ではなく「心」に届けるためには、自分の中で、聞かせるターゲットを一人に決めることが肝心です。恋の歌なら目当ての人ひとりに向かって歌うわけです。これを意識すると全然違う。感情も込めやすいし、受け取る側にも伝わりやすい。

 さらにテクニック的なことでいうと、曲の流れを見失った場合は、オケのギターでもドラムでもなく、ベースの音を追うといい。一番聞きやすく、メロディの軸を作っている楽器はベースなんです。この音を掴まえてリズムをそこに合わせるとズレません。

 また、どうしても音程が取れないという方は、いきなり歌詞を歌うのではなく、カラオケ音をバックに、「ルルルー」とハミングで練習してみるのも効果的です。

 また、カラオケ画面に出て来る歌詞はメロディに合わせて発声部分の色が変わっていきますよね。あれを無視しないこと。下手な人に限って、色のリードを無視して歌う。実は、あのリードは極めて正確に作られています。信頼してあの通りに歌うのがミソですね。

 最後はデュエットのコツ。デュエットの指導のときはいつもいっているのですが“耳をステレオにする”のが大事なんです。一方の耳で自分の歌を聞いて、もう一方でパートナーの歌を聞く。決して独りよがりにならないということですね。

 それから、目線です。2フレーズに一度くらいの頻度で、パートナーと1秒ほど目線を交わらせましょう。これをやると、すごく雰囲気がでるんですよ。

撮影■渡辺利博

※週刊ポスト2010年9月24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

石川県の被災地で「沈金」をご体験された佳子さま(2025年4月、石川県・輪島市。撮影/JMPA)
《インナーの胸元にはフリルで”甘さ”も》佳子さま、色味を抑えたシックなパンツスーツで石川県の被災地で「沈金」をご体験 
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
隣の新入生とお話しされる場面も(時事通信フォト)
《悠仁さま入学の直前》筑波大学長が日本とブラジルの友好増進を図る宮中晩餐会に招待されていた 「秋篠宮夫妻との会話はあったのか?」の問いに大学側が否定した事情
週刊ポスト
新調した桜色のスーツをお召しになる雅子さま(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
雅子さま、万博開会式に桜色のスーツでご出席 硫黄島日帰り訪問直後の超過密日程でもにこやかな表情、お召し物はこの日に合わせて新調 
女性セブン
NHKの牛田茉友アナウンサー(HPより)
千葉選挙区に続き…NHKから女性記者・アナ流出で上層部困惑 『日曜討論』牛田茉友アナが国民民主から参院選出馬の情報、“首都決戦”の隠し玉に
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
週刊ポスト