すっかり陰の薄くなった感のある自民党。数少ない“期待の星”である小泉進次郎氏をかつぎあげて、支持率回復を図ろうとしているが、その神通力にも早くも陰りが見える。自民党政調関係者はこう語る。
「参院選では、民主党の輿石東・参院議員会長を落とそうと山梨に張り付いて応援をしたが、最後に小沢さんが駆け付けると形勢逆転されてしまった。もともと四世議員で政治資金も事務所もオヤジさんから受け継いでいるだけだし、政界挑戦の箔付けに留学した経歴にも、中身を伴っていないという中傷がある。あまりにも早くから注目されてしまったので、本当に党を担う適齢期になった頃には、すっかりメッキが剥がれているかもしれない」
現在の執行部は、進次郎氏を客寄せパンダとして使えるだけ使おうと考えている。異例の“幹事長室付”という立場に置き、そのメディア対応や講演・演説などのスケジュールは幹事長が決めることにされた。本人もこのままでは使い捨てされることがわかっているから、最近は不満たらたらなのだという。
「もうパンダは嫌だ。政策を勉強する時間もない」
と周囲に漏らすことが多くなっている。
もう一人、その進次郎氏とセットで売り出し中なのが丸川珠代・参院議員だが、こちらは先述の山本一太氏が組織した「参院少年探偵団」(一太氏の命名は「民主党追及作戦会議」)でシャドーキャビネット(影の内閣)ごっこに勤しんでいる。こちらもまだまだ党の新しいストリームを起こす力はない。
自民党は、このまま川の流れに身を任せて散り散りになっていくだけなのか。民主党が大混乱に陥っている時に、国民には選択肢がないままなのか。
※週刊ポスト2010年9月24日号