近年高まる「婚活」(結婚活動)ブームだが、活動に疲れたり精神的なダメージを負う人も少なくないという。
婚活歴2年の32歳男性Bさんが語る。 「自分でいうのも何ですが、これでも20代前半まではそこそこモテる存在でした。だから結婚紹介所に登録すれば、すぐに相手は見つかると思っていた。ですが何人もの女性から“ごめんなさい”が続いてしまったんです」
体に変調をきたしたのは、3人の女性に断わられ、4度目のお見合いパーティに参加した時だった。
「気に入った女性に声をかけようとすると、急に便意を催したんです。話している最中に我慢できなくなり、電話番号も交換せずにトイレに駆け込みました。以来、気に入った女性と2人きりになるたびにトイレにダッシュ、という日々が続いています……」
東京・墨田区にある『河本メンタルクリニック』で顧問をつとめる精神科医の小野博行医師は「婚活疲労外来」設けている。この専門外来を訪れる患者は、20代後半から30代が中心。男性6、女性4の割合だが、男性に特に多いのが下痢の悩みだ。
小野医師は「もともと仕事のストレスが多い人によく見られる症状ですが、この場合は女性からの“拒絶”に対する恐怖が身体的に現われている、とみなすことができる。あらゆる角度から異性に分析される婚活では、断わられたことを人格の全否定ととらえてしまう人が少なくない」とBさんの症状について説明する。
※週刊ポスト2010年9月24日号