野田聖子衆議院議員(49)が「卵子提供による出産」を決めたことは、不妊に悩む夫婦を中心に大きな波紋を広げている。他人の卵子による妊娠、出産――それは、新たな選択肢の提示でもあると同時に賛否両論あるもの。まずは野田議員の決断を評価する評論家の小沢遼子さんらの意見を聞いてみよう。
「野田さんの決断に励まされた女性はたくさんいると思います。女性の意識が変わっても、日本では不妊に悩む女性を取り巻く環境がまだまだ遅れている。野田さんは、そういった壁を全部取り払って、妊娠までたどり着いたのだから、立派。子供が欲しいという希望が叶わずに苦しんでいる女性たちが、もっと産みやすく、育てやすくなるためのサポートが必要で、そのことを野田さんは、今回の妊娠で世間に知らしめたと思います」(小沢さん)
また、卵子提供・代理母出産情報センター代表の鷲見侑紀さんは、野田議員が卵子提供に踏み切ったことが、不妊治療を続ける女性に“気づき”を与えたという。
「不妊治療は努力が必ず報われるものではありません。反対に、やればやるほど、時間の経過とともに卵子が劣化、老化して成功率が減っていく。その点で、野田さんの決断はとても勇気のあるものでした。“自分の卵子では無理だ”とはっきりと悟り、区切りをつけた。50代になっても体外受精にチャレンジし続けている女性はたくさんいますが、そうしたかたがたに、卵子提供という新しい選択肢を示したのです」
※女性セブン2010年9月16日号