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「韓国企業が注目する日本の経営者」 電気代を節約し高収益

 一風変わったタイムマネジメントを行なう企業が岐阜県にある。残業ゼロ、年間休日140日、それでも創業者の山田昭男氏(79)は「社員のヤル気は日本一」と自負する。同社は成長著しい隣国からも熱い視線が注がれる。この7月、山田氏は読売新聞と韓国経済新聞が行なった企業調査で、「韓国企業が注目する日本の経営者」として5位に選ばれた。製造メーカーが揃って不況に落ち込むなか、“一人勝ちの秘密”を山田氏が語る。

「未来工業の労働時間は、日本一短い。就業時間は朝8時30分から夕方4時45分の7時間15分。電気代がもったいないから残業も禁止。5時を過ぎたら誰もいない。そのうえ休日は年間140日。有給休暇を合わせれば年の半分近くが休みになる計算になりますわな」

 未来工業は1965年創業。社員数783名。住設部品メーカーとして電機設備資材や給排水設備などの製造・販売を手掛ける。不況期ながら、今年3月期決算の経常利益は、17億円の黒字。売上高に占める割合も6.7%を示した。

「給料だって、地域ではトップレベル。ほかにも、定年を70歳に引き上げたり育児休職は3年取れるようにもした。男でも取れるし、給料は出ないけど社会保険は会社で面倒見るから心配はいりません。3年ごとに子どもを産めば、定年まで休職することもできる(笑い)。 そのかわり、電気代や営業車なんかは徹底的に節約してて、いつも『もったいない』といってます」

 電気代を節約するため社内の廊下は真っ暗。室内の蛍光灯の一つ一つに担当者を決め、名札つきの紐を垂らしてこまめに消させる。一斉点灯させる壁のスイッチには「さわるなバカ!」と手書きの紙も貼ってある。

※週刊ポスト2010年10月1日号

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