警察には「知られざる掟」が存在するが、そのうちの一つが「休日に自家用車に乗るにも許可がいる」である。
「地方の実家に帰る時、上司に届けを提出しなければならないんですよ。そもそも我々は、車を買うにも上の許可がいるんですから」さも当然のように話すのは関東地方の40代巡査部長だ。都道府県によって事情は違うようだが、県外への長距離のドライブには上司の許可が必要な部署は少なくない。
警視庁の場合でも、「旅行などで家を空ける場合には、届け出を求めています」(広報課)という。前出の巡査部長が続ける。「もし無届けで遠方に出かけて、事故などを起こした場合は問題になります。うちの部署の場合、海外旅行も1か月前には届けを出さなければならない。しばらく家族旅行には行っていませんよ」
「休みの日にまで仕事のこと意識したくないよ!」なんてことは警察官である以上通用しないのだ。
※SAPIO 2010年9月29日号