仙谷由人・官房長官(64才)といえば、「小沢が」や「菅は」などと「誰でも呼び捨てオレ様キャラ」が広く知られるようになっている、「脱・脱小沢」に傾く菅首相に対する苛立ちもあってか、ついに最近では親しい人に対して、菅氏を「弁理士総理」とまで呼んでいるという。
いまや菅支持の議員でも、菅氏がかつて弁理士をしていたことなど知らぬ者が増えているが、仙谷氏のような学歴エリートにとっては、これは重大な問題なのだろう。
“東大卒で弁護士である自分がいつまでも弁理士の風下に立っているはずがない”というプライドがそういわせているのか。
仙谷氏は代表選中、議員たちへの挨拶回りに忙しい菅首相に代わって、事実上の首相代行を務め、尖閣諸島での中国漁船拿捕事件では陣頭指揮を執った。民主党内には、「もともと野心家だけに、ポスト菅の座を意識し始めたのでは」との声も囁かれる。
ただし、菅支持派内では中堅たちの出世争いが激化している。仙谷氏の「総理レース参戦」は少し遅すぎたかもしれない。
「足がもう少し長ければ総理になれたのに」とは仙谷氏のお得意ジョークだが、このレースではジリジリと歩幅の差が出てきている。
※週刊ポスト2010年10月1日号