国内

FD改ざんの前田元検事逮捕で小沢一郎氏関連公判で影響か

 大阪地検特捜部による厚生労働省の文書偽造事件の捜査資料改ざん事件(フロッピーディスクに保存していたドキュメントの日時改ざん)で、前田恒彦元主任検事が逮捕されたが、検察にとって「前田事件」が痛かったのは、特捜の威信をかけて進めてきた、小沢一郎・民主党元幹事長の「政治資金事件」に疑問が生じたからでもある。

 前田氏は小沢事件捜査に応援検事として参加し、公設秘書・大久保隆規氏の取り調べを担当した。「大阪の前田が大久保の口を割らせた」と内部で評判を得たという供述調書の信用性が、これで大きく揺らいだ。

 この調書では、大久保氏が「法の網の目をくぐったダミー献金だとわかっていました」「虚偽記載したのは、あれこれ詮索されるのを避けるためでした」などと、違法献金について全面自供したことになっているが、大久保被告は裁判でこれらの事実を否認している。

 大久保被告の調書については奇妙な経緯が多い。最初の聴取で4時間以上も供述しているのに調書は作られていない。村木厚子・厚生労働省雇用均等・児童家庭局長が文書偽造を指示したとされる疑いで逮捕された事件の上村勉被告(村木氏の元部下・公判中)は、検察が「ストーリー」と違う話は調書にしないと訴えている。しかも、大久保被告は起訴後2か月も保釈されなかった。村木氏も起訴後ずっと勾留され続けたが、検察は捜査批判しそうな被告は社会に触れさせないのだろうか。

 捜査に関係ない勾留であれば重大な人権侵害である。そして、この「大久保調書」は、なぜか本人の公判の前に、別の被告の公判で証拠提出された。これでは大久保被告に反論権はないといえよう。

※週刊ポスト2010年10月8日号

関連キーワード

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン