「こんな外来があったんだ!」というユニークなネーミングのものから、より細やかなケアをしてもらえるちょっと特殊な外来までをご紹介。あなたの悩みをすっきり解決してくれる運命の専門医に出会えるかも…。その中でもユニークなのが、婚活に疲れた人の駆け込み寺「婚活疲労外来」。果たしてその治療内容とは?
婚活ブームを背景に、09年12月に設立され話題となっているのが河本メンタルクリニック(東京都墨田区亀沢1-24-10)の「婚活疲労外来」。担当医師の小野博行さんは、設立のきっかけをこう説明する。
「患者さんのなかに婚活中のかたがいて、話を聞いているうちに婚活に疲れたというだけでなく、婚活の動向が精神疾患の症状に影響を与えていると気づいたのがきっかけです。ホームページのアクセス数や問い合わせ状況などから関心を持っているかたは多いと思います」
人生のパートナーを選ぶ出会いは緊張の連続で、相手に断わられたり、断わったりする行為は想像以上に精神的負担が大きい。さらに、一度で運命の相手に巡り会えるはずもなく、何度も出会いと別れを繰り返していると、心身ともに疲れ切ってしまうのだそうだ。
「不安や緊張が多い婚活を続けることで、本人も気づかないうちに胸の痛みや過敏性大腸炎などの身体症状が表れたり、軽いうつ状態になってしまう人もいます。婚活では性格や能力などあらゆる角度から検討されて断わられるので、自分の全人格を否定されたような気になります。そのため、うつの原因が婚活であっても、職場などでも叱られることに過敏になったりと、生活全体にまで拡大して悪影響を与えてしまうケースも少なくありません」(小野さん)
こうした婚活疲労による症状を治療し、納得できる出会いができるまで明るく婚活を続けられるようにサポートしてくれるのがこの外来。
「まずはどんなことに悩んでいるのか患者さんの話をよく聞いて、精神的負担が小さくなるようなアドバイスを行います。さらに、薬も処方していきます。通院は患者さんの状態によりますが、2週間に1度、または1か月に1度のペースが多いですね」(小野さん)
基本的には保険診療だが、婚活というデリケートな問題だけに、保険治療を受けることで通院事実が漏れてしまうこともあるのではと不安に思う患者のために、自費治療(約20分5000円)も行っている。
※女性セブン2010年9月23日号